Q.10
会社創業時に支出した「創立費」や「開業費」(企業会計上の繰延資産)の償却を活用した節税対策とは?
A.10
繰延資産とは、会社が支出した費用のうち、将来にわたって会社に利益をもたらすであろうと期待される費用のことをいいます。
〔正確には、その支出を一時の費用として処理しないで、貸借対照表上に「繰延資産」として資産計上したもののことをいいます。資産計上した後は、その効果が及ぶ期間にわたって償却(費用計上)していきます。〕
具体例をあげて、もう少しわかりやすく説明してみましょう。
たとえば、新商品を開発するために支出した費用(開発費)は、“費用”であって、建物や自動車のような形のある“資産”ではありません。
しかしながら、その開発費用を支出することによって、将来において会社に利益がもたらされるのだから、その支出額はいったん資産計上し、その利益がもたらされる期間に応じて費用計上するのが妥当ではないかというわけです。
「企業会計上の繰延資産」には、「創立費」、「開業費」、「開発費」、「株式交付費」及び「社債等発行費」の5つがあります。
このうち、創立費とは、法人を設立するために支出した費用のことをいいます。
たとえば、「発起人の報酬」、「定款などの作成費用」、「登録免許税」、「創立事務所の家賃」、「水道光熱費」などが該当します。
開業費とは、法人を設立した後、事業を開始するまでに特別に支出した費用のことをいいます。
たとえば、事業を開始するまでに支出した「広告費用」、「調査費用」、「通信費」、「交通費」などが該当します。
これら「企業会計上の繰延資産」は、以下の処理方法のうちのいずれかを選択して、費用計上していくことになります。
(1) 支出時に費用として処理する方法
(2) 繰延資産としていったん資産計上し、その後、償却費を計上(費用計上)していく方法(随意償却)
上記のとおり、企業会計上の繰延資産は、支出時に全額を費用として処理することもできます。
しかしながら、企業会計上の繰延資産を資産計上した場合には、その後、いつ、いくらの金額を償却する(費用計上する)かは、法人の自由意思で決めることができるのです。
その点を考えれば、創立費や開業費の支出額については、会社を創業した後、売上高の推移が安定するまでは、いったん繰延資産として資産計上しておいた方が良いともいえます。
そうすることにより、創業期に仮に赤字であった場合にも、その赤字額を減らすことができるからです。
その後、事業が軌道に乗り、
『今期は、予想よりも高い利益が出てしまったので、少しでも節税したい。』
と考える時期が来たときに償却する(費用計上する)ということもできます。
会社の将来の節税という点から考えれば、このようなことを検討してみてもよいのではないでしょうか。
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